ユーラシア横断1日目 中国-西安
2/20 名古屋を8:50に出発して初めての海外である中国の古都西安に向かう。
大学4年も残り2ヶ月とモラトリアムの期限が迫っているので最後に"今しかできないこと"をしたかったのです。
乗り継ぎの上海空港までは3時間、トランジットの仕方など一切分からない僕はこの時点であたふたしてた。
繋がる筈のwifiが繋がらない…受託手荷物って勝手に西安まで飛んでくれるの??あ、時差直してない!
先行きに不安しか感じられなかった。
上海空港をウロウロしていると、3人組のサラリーマンっぽい人たちが日本語を話してるのを聞いて話しかけてみる。
その方々は広島からきており、鉄鋼関係の仕事で西安から一時間あたりの都市に出張だという。
海外旅行初心者の自分に色々と教えてくれた。受託手荷物の事が不安で仕方なかった自分はその事を聞くと、e-チケットに貼ってあるシールに書いてあればちゃんと行くよ、との事。胸を撫で下ろした。
そうして1時間後に飛行機は出発、奇跡的にその3人の方と隣の席だった。航空会社の話が面白かった。
中国東方航空の便は、
『ダブルブッキングした時はお前が遅いのが悪い。』
みたいなスタンスで勝手に違う便に割り当てられたり、(たがらこそ国内線はリコンファームみたいな仕組みがある。一部国際線でもある模様。)
『今日の便は客が少ないから欠航します。』
なんて事もあるという。
さすがに欠航した時はその人は怒って航空会社に連絡し『仮にも国際線を飛ばす航空会社がこの様な事をしていいのか』とクレームをつけたところ、次回便をファーストクラスにするというお詫びを得られたとのこと。けど言わなきゃお詫びはないのね…。正直ファーストクラスクラスと思われる席もイマイチーな感じやったけど。
そんなこんなで3時間かけて西安にたどり着くわけだけど、中国のスモッグはすごいね。
当日は快晴との予報で期待していたんだけど、飛行機が西安に近づくにつれて黄色い'もや'がとても濃くなっていく。高度数百mくらいでようやく街が見え、
西安に辿り着く頃、そこはもう青空が閉ざされた黄色な世界だった。
見える太陽はその輪郭だけ、上空にこの光は戻っていかないだろうな、といった感じ。
降りて3人にお礼を言って別れた、西安威陽国際空港から西安市内までは30分くらいかけていく、値段は24元。
駅で両替できる場所を探していた僕は、並んでた後ろの人に話しかけた。あまり分かってもらえないかったけど、お金がないと理解したその人は、24元のエアポートバスを僕に奢ってくれた。更に多方面に乗るはずだった彼は心配してついてきてくれたのだった。僕は何度もお礼を言って、市内に着いたら両替して返す旨を伝えた。
彼の名前はxiao qiという。22歳で、西安大学在籍、東大の院を目指しているらしい。そのためか日本語も僅かながら喋る事ができたが、会話は基本カタコトの英語でした。
バスは西安火車駅(鉄道)に向かう。道中シャオ君は僕を友達に紹介したいという。その彼とは鐘楼で会う約束との事で、一緒に向かうことになった。
30分くらいして西安市の中心部を囲う明代長城が見えた時、かつてないくらい興奮した。
日本とはスケールが全く違う。中国の明の時代に作られたその城壁は周囲16kmに及び、それが街の中心部を守るように囲っている。着いた時間は18:00頃で、薄暗い中ライトアップされた長城はとても綺麗だった。
人、人、人、秩序のない人の流れ、車の流れ。引いたら負けだと言わんばかりに信号のないT字路を人に車が次々に行き交う。東京も大概だけど、ここには更に秩序がない。
そこをサッサと進んでいくシャオ君。
人なんかいないと言わんばかりにスピードを上げる車。混沌としていた。
何度も轢かれかけながら友達の元へ向かう。この街では、いや国では自己主張出来ない人は死ぬのかな。言い争って、ぶつかり合って我を通す。通されても切り替えてすぐに次を考える。人本来の生き方なのかもしれないけど…
少ししてシャオ君の友達に会った。彼はシャオ君よりちょっとだけ英語が上手かった。まぁ、僕よりシャオ君のが上手いんだけども。chang君というらしい。シャオ君が言う事をチャン君が上手く英語に訳すとシャオ君は『ああ、それそれ、それが言いたかった!』みたいなリアクションをとる事がよくあった。
牛肉麺を食べたいとバスの中で話していたからか、チャン君が案内してくれた。
『この辺りは高いし不味いから、ダメ』と言って行きつけの店へ案内してくれた。
牛肉麺一杯で6元=約100円 安い。
物価に驚いた。しかしこの物価は割と本当におかしいと思う。後でも触れるが、市内のバスはどこまで乗っても1元、水や飲み物なんかは2.5元~5元、けど市内のまともなレストランは平気で100~200元(1,600~3,200円)とかしたりする。うーん。
初めての牛肉麺は今まで食べたことのない味、日本のラーメンとは全く違う食べ物だった。
香りはとても濃いけど味は割とアッサリしてる。牛骨スープと少し細い麺、千切れ千切れの牛肉と大根で体に優しそうな味。とても美味しくこれで6元…。
今回の旅の事を説明すると2人とも驚いていた。普通敦煌まで行く人もそういないという。話途中でタバコを貰った。日本のより吸いやすいけどちょっと高い。灰皿はなく、みんな店の床に灰を落とし、そのまま吸殻も床に捨てた。
食べ終わり、チケットを買わなければいけないのでまた西安火車駅まで向かう。
今回の中国の旅では、長距離移動は寝台列車を使う。(普通に寝台車を買うのも事前予約も日本人はほぼ不可能。別途記事で解説。)
シャオ君が販売所に向かい、事前予約してあった券を引き換えてくれた。その間15分、チャン君と話をしてた。
『西安の人って、可愛い人多いよね。』『でしょ、でも一番多いのは四川省だよ』『そうなんだ、行ってみたい!』『そういえば、シャオの彼女も可愛いんだよ』なんて話してて、シャオ君に見せてもらった。確かに可愛い、やるなシャオ君。ちょっとのろけられたし。その時丁度シャオ君の彼女から電話がかかってきた。横の日本人は男?女?みたいに聞かれたようで必死に弁解してた。事前に僕をガイドしてる事を話してたんだろう。すごく焦っていて面白かった。
その後、ホテルまで送ってくれるというのでお言葉に甘えた。タクシーで行くとの事、しかし中々捕まらない。捕まらないというか、断られてる。
『なんで?高いの?』と聞くと
『いや、ここから鐘楼だと近すぎて金にならないから嫌なんだよ』との事。
そんな事あるんだ、とちょっと苦笑い。
しかし2人はそんな事全く気にしていない。タフだなぁ。いやこれが普通なのかな。
結局バスで行こうということになり、初中国の市内バス。
揺れる。すごく揺れる。そして交通ルールなんかない。人にバイクにトゥクトゥクに車、我先にと先に進む。バスも負けじとガタガタ揺れながら進む。
なんでこんな交通状況なのか聞くと
『昔、車は政府やお偉いさんの乗り物で、乗ってるものが偉いみたいな思想がまだ少しある』らしい。
因みにバスはほとんどの場合両替とかない。だから必ず一元札(たまに1.5元)を持っておかなければならない。(※4日目の酒泉で初めて知ったのだけれど、ない場合は他のお客さんに両替するか、次のお客さんのお金を回収していくといった形になる。)
街の中心部、鐘楼駅に着く。
ロータリーの中央に存在している。
鐘楼とそのちょっと奥にある鼓楼はライトアップされていてとても美しい。周りの建物も中国風の高級ホテルや飯店で中国にいることを実感した。
少し外れたとこに今夜の宿があった。ここで2人ともお別れ。また西安に来ることがあれば教えてよ、と行って帰っていった。本当にありがとうございました。
ここからはまた1人。ホテルで気をつけなきゃいけないのがテポジットという仕組み。
金額はホテルによるが、保証金として200元とかを宿泊費にプラスして払わなければいけない。これは、部屋が荒らされたり、部屋のオプションなどを使用した時に保証するためのもので後で返ってくる。最初は知らなくてとても不安だった。
因みにホテルだけではなく色んな場所(レンタルとか)で発生する。
ホテルはWi-Fiあり
しかしこのWi-Fiの状態が非常に悪い。全く通じない。最初は何も分からないからiPhoneが悪いのかと思ったけど、翌日ツーリストinfoに行ったらちゃんと繋がったから、ここがただ単に遅かっただけのよう。
1人になってぷらっと街に出る。部屋の水は飲めないので買いに行く。
多少銭? 3kuai
多少銭?2.5kuai
初めての1人でのやりとり、あまり違和感が無かったらしい。ちょっとドキドキしてたけど、安心した。
写真は明代長城の南門ここまで歩いた。
1日目はここで終了
初めての海外の初日をなんとかやり遂げて一安心。
2日目は市街地を観光します。