ユーラシア横断2日目③ 中国-西安
・バスに乗る
はじめて中国のバスに一人で乗りました。
仕組みが分かってなかったから乗るつもりあんまりなかったんですが、自分がどうしても行きたいと思う場所が現在地から6kmくらい離れた場所だったんです。それってどれくらいだっけと冷静になって調べたら新宿駅-東京駅くらいで歩いて1時間半くらいかかると。
“うん、乗ろう”一瞬で意思決定しました。
バスの中の様子
お代はどこまで行っても一元で、この箱の中に入れる。因みに両替なんて仕組みはないので、丁度一元を持っていないと結構面倒です。
例えば5元札しか持ってなかった場合、この箱の前に立って他の客4人から1元を回収していくという仕組み。
その事をしらなかった僕は最初結構戸惑いました。
1元を入れると言う事は前日にシャオ君から聞いていましたが、その時僕は10元しか持ってませんでした。
両替してもらおうと思って運転手さんに10元差し出すとそのまま入れられ、中国語で何かまくしたてられてバスの後ろに追いやられてしまいました。
何とも言えない気持ちになって暫くバスに揺られていると、運転手が大声で何かを言い、その途端にバスの乗客全員が僕の方を見てきます。
“まだ何かあんのか”と不安になっていると、前の方からお金が回ってきて僕にくれました。9元。いや、当然の事なんですけどウルッときました…。
そこで初めて仕組みを理解し、そうした光景はその後もよく見られました。
日本みたい機械がお金の種類を認識してくれて、計算してくれて、お釣りを出してくれる。これは当たり前の事では無いんだと実感させられました、甘えてたな。
けど、地元の人の多くは画像左上の電子端末にICカードをかざして決済するsuicaのようなものを使っていました。なんでここだけいきなり発達してるんだ。
・シルクロードの始まり
僕の行きたかったところとはここです。
絲綢之路起点群像
西域の人っぽい人もいれば中国人っぽい人もいます。
シルクロードの経路地図が書かれています。
隊商は西の彼方を見つめています。
これから先に待ち受ける数々の困難の旅、その情景を想像させる群像です。シルクロードの路を辿る自分にとっては、始まりの場所として絶対に訪れておきたかった場所でした。
・世にも旨き麻婆豆腐
旅情に浸った後は腹ごしらえ。
せっかく中国だしベタな中華料理を食べてみたい、と思ってガイドで探して出てきたのが
郭老大大盤鶏 辺家村店
麻婆豆腐が美味いらしいし行ってみよう。
と思ってバスに乗って来たはいいものの、そんな店がない。
“…潰れてる?”
と思って辺りを隈なく散策した結果 見つけました。
本当に良かった…
そこそこな高級店の模様
麻婆豆腐を頼む
見た目は中々…でも正直日本で食うものより美味しいなんてことは期待していなかったです。
が、美味い。今まで食べた事ないような味だけどめちゃくちゃ美味い。
旅の中盤になってようやく慣れてくるのだけれど、こちらの料理は山椒がきいてる料理が多く、それがまた美味い。
これを食べに来るだけでもまた来たいと思える逸品でした。
・城壁一周
というわけで登ってサイクリングをしました。
城壁の上にある貸自転車屋でレンタル出来ます。南門から登るのが良いでしょう。登ってすぐ近くに自転車屋があるので。
地球の歩き方にはこの明代城壁に上るチケット代は40元と書かれていましたが、僕が行った時は値上がりして54元になっていました。
そして自転車代は40元です。正直ここで100元はきつかった。普通に日本の観光地と同等な料金設定…。
しかし、またすんなりとはいかないもので、自転車屋では何故か追加で300元を要求されました。日本円で4,800円。全く納得いかないもので抗議するとどうやら“デポジット”と言っているようでした。それで理解して、“そっか、借りるっていってもこいつら奪ったりされる事見越してるんだ。”と納得。
それからの道中も何かを借りる時(自転車やホテル)は度々このデポジットの仕組みに出くわしました。大金だけに払う時は少々怖かったですが、大抵300元が相場のようです。
城壁の上から見ると西安はいくつもの顔を持っていることが分かります。
大量に捨てられているゴミと廃墟。ここは城壁内、最も栄えているはずの場所ですが、このような場所は各地で散見されます。
かと思えば非常に整った大通り道には清掃車が通り路面は比較するまでもなくきれいです。
こちらは鉄道西安駅前の広場、非常に混雑しています。今日の夜ここから乗って一人で寝台車コンパートメントで寝る…。って大丈夫かな。
ちなみに僕の格好。結構重装備。この度に耐えられそうな靴と言う事で中古のティンバーランド、バッグはノースフェイス42L、財布はもたずお金はポケットの中、貴重品は服の中に隠せるウェストポーチです。
これで無事に一ヶ月旅をやりきりました。
戻ってきた。中々楽しかったが尋常じゃない石畳の悪路であり、自転車もクッション性がほぼないので非常に疲れます。一時間くらいで回れたかな。
さて鐘楼へ戻ろう。
南門から降りてすぐにバス停があり、西安の中心“鐘楼”に向かいました。
疲れたし、電車の出発まではまだ時間がある。喫茶店でもあればそこに寄ろう。
鐘楼から南西に向かって歩くと喫茶店やバーが並ぶ若者の街が現れる。ここで足を休める事にします。
おしゃん。。。
喫茶店に寄りたかったもう一つの理由はwi-fi環境。ここでネットが繋がり連絡と次の日の宿が確保出来ました。後は親友達に無事を報告。
まったりと過ごしました。
・やばい、やばい、やばい!
とのんびりしていたはいいものの、夜行列車の時間が迫っています。
僕の誤った考えは
・鐘楼周辺から電車の駅までのバスならどうせ多くあるだろう。
・いざとなったら人にきけば分かるだろう。
とタカをくくっていました。
これが本当に誤りで、大通りに出ても全く駅に向かうバスがない…。
人に地図を指差してきいてみても、手をあげて“分からない”とポーズを決められるのみです。
タクシーを拾おうと思っても満車ばかり、この時はじめて旅の中で死を感じました。
・火車駅